「コロナ特例貸付からみえる生活困窮者支援のあり方に関する検討会」報告書
コロナ禍のなか、全国の社会福祉協議会(以下、社協)は、政府からの要請を受け、2020年3月25日より生活福祉資金特例貸付(以下、コロナ特例貸付)を実施し、経済的に支援を必要とする人びとを支え続けてきました(2022年9月末までの2年半で約380万件超)。この間、社協ではコロナ特例貸付の窓口で、生活に困窮する人びとに相対し、さまざまな顕在化した地域生活課題に直面し支援を行ってきました。
こうした経験をふまえ、全国社会福祉協議会(以下、全社協)では、
①コロナ特例貸付をめぐる動向を整理し、社協がこの間、コロナ特例貸付にどう取り組んで
きたのか、その実態と課題を明らかにすること
②コロナ特例貸付がいち早く対応することになったが、わが国のセーフティネットは生活困窮
者支援のあり方として十分に機能したのか等を検証すること
③今後、このような非常事態になった場合の生活困窮者支援策について国に提言すること
を目的として、2021年10月に検討会(委員長:宮本太郎 中央大学教授)を設置し、検討を重ねてきました。
検討会では、コロナ特例貸付の借受人の状況と社協の取り組みを明らかにするための調査分析を行うとともに、有識者のヒアリング、検討会における協議を行い、2022年11月に「中間とりまとめ」を、12月に「報告書」をとりまとめました。
コロナ特例貸付は、突然の減収や失業等により生活に困窮した人びとに迅速に生活資金を届けることで生活を支えるという役割を果たしてきました。その一方で、迅速な貸付が優先されたため、必要な相談支援ができないまま、貸付件数が増えていくという状況になってしまいました。こうしたなか、社協では貸付だけではなく、社協のもつネットワークを活用し、生活に困窮する人びとへの相談支援、生活支援等に取り組んできました。
本報告書では、コロナ特例貸付にかかる調査結果とコロナ禍における生活困窮者支援の実践をもとに、早期実現が求められる「緊急要望」と今後の社会保障・セーフティネットの再構築に向けての「提言」を提起しています。
さらに「中間とりまとめ」以降、社協や社会福祉法人・福祉施設・事業所がコロナ禍のなかさまざまな工夫をしながら生活に困窮する人びとに対し行ってきた支援を実践事例として掲載しました。
全社協では今後、本報告書等をもとに、今後の社会保障、セーフティネットの再構築に向けて、厚生労働省や国に対して、提言活動等を展開していくとともに、社協や社会福祉法人等が地域のなかで連携・協働して顕在化した複雑・多様化した課題を抱えた人びとへの支援を強化していけるよう、取り組みを推進してまいります。
報告書データ
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「社会的養護関係施設が担う役割・機能に関する検討会」報告書
全国社会福祉協議会・政策委員会は、令和2(2020)年にテーマ別検討会として「社会的養護関係施設が担う役割・機能に関する検討会」(委員長:淑徳大学 柏女霊峰教授)を設置し、検討を重ねてきました。これは国が進める「新しい社会的養育ビジョン」(2017年8月2日策定)に基づく都道府県社会的養育推進計画の実施が2020年度からスタートすることを契機に、今後、社会的養護関係施設が具体的にどのように取り組んでいくのか、そのための制度上の課題をどう改善していくべきなのか、社会的養護関係者の協議が必要であるとの認識に基づき、実施されてきたものです。
2020年8月の設置以降、7回の検討を重ね、令和3(2021)年8月に最終報告を取りまとめたので、公表いたします。
最終報告データ
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※【参考】中間まとめ(令和3年3月公表)
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働きやすくやりがいの感じられる福祉の職場づくり推進要領
全社協を組織する種別協議会等が協働し、福祉の職場をともによくしていくことを目的として「推進要領」を策定しました。
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新たな福祉課題・生活課題への対応と社会福祉法人の役割に関する検討会報告書
社会福祉法人がその社会的役割を再確認し、強い危機意識をもって新たな生活課題・福祉課題に取り組む必要があるとの認識に立ち、具体的な内容や推進体制のあり方等を提案しています。
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